0900ー0910 開会の挨拶・諸注意

三浦寛幸(東京操体フォーラム実行委員長)、瀧澤一寛(東京操体フォーラム副実行委員長)

0910-1045 「からだが表現する世界に、呼吸することばへ」

東京操体フォーラム タスクフォース(瀧澤一寛、寺本雅一、三浦寛幸)

現在の操体の臨床は「重心の適正化をはかる」ことでからだの動きを表現することを重視しています。
からだの動きの中で表現されるものは、アートの世界と同じようにある人から見れば何をしているのか分からないかもしれません。
しかし感覚を主体とした世界観では何をしているのかわからないことも呼吸を通じて分かるようになってきます。
操体とアートを結びつけるキーワードが「表現」であり、何かを表現することにおいては技術やテクニック以上に呼吸と感覚が大切なことだと考えています。
この2つをいかに表現していくかが操体とアートの関係性を紐解く一つの鍵となるのではないでしょうか?
「動き」と「呼吸」と「感覚」がアートとどのように結びついているのかを考えていきたい。(三浦寛幸)

操体法をとおして感性が磨かれていく、ということはあります。美しいと感じられる操者の姿勢はその一つのあらわれだと感じています。作法や操法の中でどんなふうに「からだ」と向き合い、どんなことを「からだ」からいただいているのか。感性や美しさにつながる「こと」を紐解いてみたいと思います。

作品(表現)から何かを感じることをアートとするなら、操体をとおして学んでいる「からだ」と自分の関係もアートに通ずるのではないかと思います。あの作品に触れられてよかったね、と感じることがあるように、「からだ」という表現からいただけること、感じられることがゆたかさや、感謝につながるということを体感しています。そのようなことも含めて、「アートと操体」の世界を共有していけたらと思います。(瀧澤一寛)

ここ数年、操体を学び続けていて、ことばになりにくい現象に出会う機会が増えたように思います。まだうまく表現されていないものに触れたとき、それはまたひとつ、じぶんの、そしてからだのことばと出会っている瞬間なのではないか、と思うのです。操体を取り巻くこの「ことば」のことについて、今回はみなさんと考えてみたいと思います。(寺本雅一)

1100-1200「今更聞けないアートの世界」

石田哲也(東京操体フォーラム)

アート初心者の石田が有名な絵や美術品の歴史、意味、背景をわかりやすく解説。 操体の関連性も含めて発表いたします。

1200-1300 昼休憩(zoom 1245オープン)

1300-1305 午後の部開催挨拶

友松誠(東京操体フォーラム、からだバランス調整院)、寺本雅一(東京操体フォーラム)

1305-1400 「白樺派と操体」

畠山裕美(東京操体フォーラム、TEI-ZAN操体医科学研究所)

「白樺派」と「呑気者」
橋本敬三先生は、新潟医専時代、式場隆三郎氏と共に「あだむ」という白樺派の流れを組む同人誌に関わっていらっしゃいました。

式場氏は、ゴッホの研究家としても有名であり、当時日本ではまだ無名だったゴッホを紹介したりしました。
また、山下清や草間彌生を見いだしたのも式場隆三郎氏です。
さらに、精神科医であった式場氏は、橋本敬三先生も何度か寄稿している「医科芸術」の初代会長でもありました。
橋本先生の著書にも「式場兄」という言葉が何箇所か出てきます。「白樺派」という名前は「日本史で、名前だけは何となく知っている」という方が多いのではないでしょうか。白樺派とは一体どういったものだったのだろう。調べているうちに、橋本先生が、それまでの悩み多き性格から「呑気者」に変わったという辺りのことが、何となく見えて来ました。今回は、その辺りについてお伝えしたいと思います。 

1410-1510 「第五分析」

三浦寛(東京操体フォーラム理事長、人体構造運動力学研究所)

第五分析について最新の考察などをお伝えします。

1520-1620 「やはりArtです。Artは身体から生まれます。」

半蔵(東京操体フォーラム)

Artというと「芸術」というイメージを持たれる方も多いと思いますが、そう限局して捉えなくてもよいのではないでしょうか。Artとは、技芸、創造、探究、表現など、人間の行為全般を意味する言葉だと思います。操体は、息・食・動・想という、人間生活の基盤をArtにしたものだと、私は思います。神様は、人間に「からだ のトリセツ」を与えなかったのですから、人間自らが工夫して、進歩・発展させるべきなのです。

1630-1800 「Art of wonder」

岡村郁生(東京操体フォーラム、操快堂)、瀧澤一寛(東京操体フォーラム、手まり堂)

世のなか不思議なことが起きたとしても意識に残すこともなく、ただ過ぎ去っていくことはあります。その小さな出来事に意識を向けてみれば、快くことわり(理)と結べることはあるようです。操体法の橋本敬三師曰く、「わけがあるってこと」について語りたいと思います。  (岡村郁生)

不思議に感じることも、その不思議を支えていることと向き合うことも、からだが一つのきっかけになっているように感じています。そこからいただいている新鮮な感触を大切にしながら、言葉につないでいく試みをしていきたいと思います。 (瀧澤一寛)