操体法クロニクルズ2~セルフケア今昔モノカタリ~(仮)

操体のセルフケアにおいて大切なことは「からだ」の要求していることに応えていくことです。
それを紐解くヒントは私達が気が付かないところでからだが行ってくれていることの中に沢山あります。そういったからだがしてくれていることに気付き、からだのために自分が出来ることは何なのかを今回のフォーラムを通じて共有していければと思っています。 三浦寛幸

セルフケアには様々な方法があるようですが、「自分がからだをケアしているようでいて、じつは、からだにケアしてもらっている自分がいる」という逆転の発想が操体にはあります。それによって「今、からだが必要としていること」を無理なく実践できるのが操体法です。どうすれば逆転のスイッチは入るのか、一緒に体感してまいりましょう。瀧澤一寛


操体(操体法)は創始者の時代から、「からだのために本人にできることはこんなこと」、ということを伝えてきました。まさにセルフケアの宝庫だと思います。今回はこの「宝物」を改めて味わうこと、またそこから最新のセルフケアについても実践者の生の声で語っていきたいと思います。 寺本雅一

コラム発表(友松誠)「置き去りにされた重心」


橋本敬三先生の時代に、爆発的に一般に広まった操体法。しかし、その広まり方は当時のビデオの説明にあるように「身体を楽な方に動かして歪みを直し、疲れや痛みをとるやり方」という面ばかりが先行していたようです。結果的に、歪みを正すのに必須である「からだ全体が調和に向けて動く」という事が、おざなりになっていた感があります。 からだ全体が調和に向けて動くには、重心の定まり方が重要な意味を持ちます。その為の身体の使い方、動かし方の法則も当時すでに定められていました。そして、そこからの身体全体の動きも連動の法則として研究、研鑽が重ねられていたと聞きます。 重心の定まり方如何によって、楽な方に動かす初期の操体法も効果は変わってくる。これは「1,2,3, ハイ、ストン」といった3秒間動きを撓めて瞬間急速脱力に導くという決まり事が、橋本敬三先生によって撤廃され、撓めの間も脱力の仕方もからだに委ねるという様に変わっていった事からも窺い知れます。

呼吸について。何故吸気なのか?(三浦寛)

操体法は、
・吐きながら動く、呼気とともに瞬間急速脱力する
という手法から、橋本敬三先生が卒寿の頃は
・(呼吸に意識を置くと、感覚のききわけがおろそかになるから)呼吸は自然呼吸でよい
というように変化した。
その後、息診・息法(第四分析)など、操体臨床における呼吸の用い方は、大きな進化を遂げた。
今回は「吸気」についての新しい考察を発表したい。セルフケアにも勿論有効である。

操体でも経絡治療はできる「姿勢・呼吸・腹証」(半蔵)

発表テーマ:「姿勢・呼吸・腹証」
発表者から一言:
最近の患者さんの傾向として、首と肩の不具合と睡眠の質が悪い方が多い、という報告がありました。
これは、多数の人びとが何らかの不安を抱えて生活していることを反映しているものと思われます。
今回は、その身体の状態を「交差症候群」「呼吸補助筋」「少陽病」という視点から考察し、その問題解決に呼吸が有効な手段となりうる事を示すことができれば幸いと思っております。

瀧・岡対談(岡村郁生・瀧澤一寛)
立ち上がった猿人間の設計はミスがなかったのか

橋本敬三先生の著書に「からだの設計にミスはない」というものがありますが、この世の中の様々な書籍には、立ち上がることによって人間は腰に負担を抱えるようになってしまった、という記述、もしくは論調が多いように見受けられます。このようなことを踏まえて人間の設計にミスはなかったのか、ということを考え直すヒントを伝えていけたらと思います。岡村郁生

向こうに何かがある気がして、立ち上がりたかったし、歩きたかった。瀧澤一寛