操体を実践している者として常に感じていることは「からだがしてくれていること」と「自分とからだを生かしてくれているもの」への感謝のきもちです。 生前、操体の創始者である橋本敬三先生は「ありがたい」という言葉をよく口にされていました。 その「ありがたい」と思えるものの中に自身が健康に生きるためのヒントがあるように感じています。 今回のフォーラムでは私自身が感じた「ありがたいもの」と操体のセルフケアとの結びつきを少しでも紐解いていけたらと思っています。
三浦寛幸(実行委員長)
橋本敬三先生の書かれていた一つの色紙に、「地上生命体の設計にミスがなし、これを“救い”と言う」と、このようにありました。 「人」ではなく、「地上生命体」と言われたその放言の真意。 からだと運動の違いを咀嚼し、瀧澤実行委員と共に語りたいと思います。
岡村郁生
セルフケアにしろ、呼吸にしろ、立つことにしろ、わたしたちはどのように「からだ」を捉えていくことができるのでしょうか。「からだ」に秘められた可能性を、午前中はタスクメンバーとして各実行委員と共に、午後は岡村実行委員と共に語らいたいと思います。
瀧澤一寛
操体指導者・実践者の語る「セルフケア」は、一般で紹介されているものとは、一味も二味も異なるものに感じるかもしれません。けれど、巷のケアでは物足りない方にとっては、生活の中に新鮮な息吹を吹き込んでくれるポイントがたくさん詰まっていると思います。オンラインの画面越しではありますが、そのヒントになるようなことをお伝えできればと思っています。
寺本雅一
今回、私の発表はありませんがフォーラムではいつも新しい気づきに出会います。参加者の皆様と共に新たな発見ができるのを期待しております。よろしくお願いいたします。
石田哲也
コロナ禍で、直接の指導が難しくなったりという状況が続いていますが、セルフケアの重要性は、ますます高まっています。
例えば、ストレッチやヨガ、自彊術に太極拳など、セルフケア的なものは数多くありますが、操体・操体法はそれらとどう違うのか。その辺りもご紹介したいと思います。
一方、秋に引き続いての「操体法クロニクルズ」では、過去のお宝映像の中から興味深いものをピックアップして、という、我々にとっても愉しいことを発表予定です。これは、単に過去を懐かしんでいるだけではなく、現在の我々の立ち位置と、成長の過程を見直す、ということでもあります。
この、流れを俯瞰していただき、操体法に於ける進化・深化の過程をどうぞご覧下さい。
畠山裕美
操体の創始者、操体は、治療医学としての面もさることながら「健康人が病気にならない為にはどうしたらいいか」という事を重要視しています。この未病医学ともいえる健康学の学びを深めるほど、臨床にも役立ち、結果的に治療としての効果も高めているのです。健康学に於いては、当然、今回のテーマにある「セルフケア」は重要な位置を占めています。
友松誠
橋本敬三先生は、操体について
※症状・疾患にとらわれない
※ボディーの歪みを診ていく
と言われました。
後代の者が、これを学び継承していくためには、病態の把握が必要であると思われます。なぜなら、操体を施す前と後で、からだがどう変化したかを表記する方法がなければ、今後の研究(学問にしていく)が進まないからです。(橋本先生は、医師だったから、ある程度の学識があり、必要がなかったのかもしれませんが)
私の仕事は、現在只今のからだの状態を、解剖学、生理学、運動学、経絡・経穴学、腹証などを用いて表現する事を模索し続けることであると思い定めて、発表をさせていただく次第です。
半蔵