瀧澤一寛 

操体法は誰にするのでしょう。それは「からだ」です。では、操体法は誰がするのでしょう。それも「からだ」です。「それってどういうこと?」という疑問も、「からだ」で感じて納得できるのが操体法の実技です。

寺本雅一

「操体法」の介助・補助について学んでいると、その切り口の豊富さに驚きます。からだが操者の振る舞いのひとつひとつをしっかりみていることを感じるから、大事にしたいことが生まれてきたのだと思います。介助・補助の足跡を辿りながら、からだとともに進化してきた操体法の世界を感じていただきたいと思います。

三浦寛幸

今回の春のフォーラムでは実技をメインに参加者の皆様と操体の学びを深めていくことになりました。現在の操体、そして操体法は「正当なからだの使い方」と「重心の適正化をはかる」ことを目的にしていますが、これらの目的を果たしていくことにおいて実技の基礎の習得はとても大切なことです。

また操体を学び始めた当時の私も操体の理論や哲学がなかなか理解出来ず伸び悩んでいた時がありましたが、実技の習得することを重視してから見えてくるものも沢山ありました。そんな私の経験から実技の習得と見直しをすることは点を線にしていくプロセスにおいて必要なことであり、またからだと自分との繋がりを理解していくことにおいても重要なことだと思っています。

それを踏まえ今回は当時橋本敬三先生がされていたことから現在まで「からだからのメッセ―ジ」をききわけるためにどのようにからだにアプローチしているのかを実技を通してお見せしていきます。

その中で動きと感覚と言葉で表現されるからだの世界を参加者の皆様と共有していけたらと幸いです。

半蔵

操体を通して経絡的な治療は可能です。
一般的に、東洋医学は患者さんを寝かせた状態で診察・治療を行いますが、橋本敬三先生は、そこに動きを導入しました。
操体は、古典的な言い方をすれば「導引」の系譜に属します。

岡村郁生

「現代人は退行している」という仮説をするなら、操体で語っている「からだ」を通した感覚を認識する行動そのものだ、と指摘したい。

今回の発表では、臨床(実技)としての「操体法」を、オンラインで伝え、味わってもらう試みをしてみたい。

瀧澤一寛

その場にいるだけでも、見ているだけでも、「からだ」に伝わっていると感じられるのも操体臨床の特徴です。実技というと手先の技術に目がいきがちですが、「からだ」が感じていることをキャッチできる向き合い方がそこにあります。